TRAIL (NO.73.38)2024年04月24日

★ 今日の ”風景画”


★ 今日の”鳥さん”

      * ヒバリ 四態






※ 私は、草はらを真ん中から左右に切り裂くかのように敷設されている一本の細い小径を歩いていた。
しばらくすると、あまり遠くない前方の路上に一羽のヒバリが歩いているのが見えた。
私は、ここのところ、しばらくヒバリを撮っていなかったので、一枚カメラに収めてやろうと思い立ち、カメラを構えた。
しかし、ヒバリが射程内に入るにはまだ少し距離があり過ぎる。
私は、そのヒバリとの距離を縮めるべくゆっくりと前進を開始した。
だが、これは当然のことであるが、ヒバリは私が歩を進めるごとに前に逃げる。ヒバリが逃げるので、私はまた歩を進める。すると、ヒバリがまた前に逃げる。こんなヒバリとのやりとりを何回か続けた後だった。
ヒバリは突然立ち止まったかと思うと私の方を振り向いて、私の方に向かって歩き出したのだ。
私は、”あれっ、?????.....”と思いながらも立ち止まり、ヒバリの動きをじっと見守った。それは通常なら絶対に有り得ないヒバリの行動だった。
ヒバリは私のすぐ前までやってきた。よく見ると、そのヒバリは口に何か小さな青虫みたいなものをくわえている。しかし、その時は、そのことの意味など深く考えようともしなかったので別段気にも留めなかった。
だが、事の真相は後で判明した。
ヒバリは私にかなり近づいたところで、パッと飛び上がり、私のいる位置からすぐ近くの草むらの中に舞い降りた。私は、その時になって初めて、”もしかしたら....”という考えが頭を過ぎり、試みにヒバリが降りた草むらに近づいてみた。すると、突然、足元付近から別の個体が飛び上がったのだ。私は本能的にヒバリが飛び上がった草むらをかき分けて覗き込んだ。
”ああ、やっぱり!!....”だ。
ヒバリの巣である。それも、まだ卵から孵って間もない目も開いていないヒナが三羽も収まっている巣であった。今しがた飛び上がった個体はヒナが雨で濡れないようにじっと巣に覆い被さりヒナたちを保護していた親ヒバリだったに違いないと思った。そして、餌をくわえていた個体は、おそらくヒナに餌を与えるためにやってきたもう一方の親だったのだろう。その親は、すぐにでも巣のところに行きたかったのに、野暮な私(天敵)が近くにいたためにすぐに直行できず、私とやりとりをする羽目になってしまったのだろう。
そういえば、あの時のヒバリの もたもたした動きは私を巣から少しでも遠ざけようとした偽傷行動的な意味があったのかもしれない。
私は、かつて コジュケイの親がネコから一羽のヒナを守るために必死に”偽傷行動”を行なっている場面に遭遇したことがあるので、今回の餌をくわえた親ヒバリの行動に対して、その時のことを思い起こしたのである。
天敵からヒナを守るためなら、親鳥は種類に関係なく、命がけで行動することがあるのである。
私は、巣の周囲の環境を壊さないように、ヒナが小雨で濡れないようにとの思いを抱きながら即座に巣のある場所を離れたのであるが、ヒバリに対して申し訳ないことをしてしまったという思いに駆られた。
野暮な私(天敵)にできることは、ヒナが無事巣立ってくれることをただ祈ることのみである。

何れにしても、今日の想定外のヒバリの巣との出会いは、はからずも、遠い昔、麦畑を夢中で駆けずり回りながら一心不乱にヒバリの巣探しをして遊んでいた幼き頃のことをまるで昨日のことのように懐かしく思い出させてくれることになった。何十年も前のヒバリとの懐かしい懐かしい思い出の一コマである。

          *


(巣の中のヒナ)

      * コムクドリ 六態





          * 



       * イカル 四態





     * コサメビタキ 一題


    * エナガ(巣立ち雛) 一題


★ 今日の”お花さん”

<オオカワジシャ>

<クレソン>

<アマドコロ>

<マツバウンラン>

★ 今日の ”ちょうちょうさん”

<コジャノメ>

<ヒメウラナミジャノメ>

<コミスジ>

★ 今日のトンボさん

   * ニホンカワトンボ 二題

(無色翅型♀)

(橙色翅型♂未成熟)

★ 今日の ”おまけ”

<ニホンイタチ>